腰痛について 3
今回は腰痛の種類についてお話ししますね。
腰痛症
まず腰痛の中で一番多いといわれています。
みなさん腰が痛く病院などにかかった経験があると思いますが、そこでレントゲンを撮っても「異常ありませんね!」なんて言われ、「腰痛症」「腰椎症」なんて診断を受けた事がある人がほとんどではないですか?
この腰痛症は一般的に、日常生活においての姿勢不良による腰の筋肉の疲れや筋肉の緊張、などによる血行不良の原因が多いのです。
ぎっくり腰(急性腰痛症)
このぎっくり腰も経験した方も多いんじゃないですか?
一般的に重い物を持った時や急に身体をねじったりした時に起こすことが多く、人によってはくしゃみや咳をしただけでも起こりうるものです。
なので別名「魔女の一撃」とも言われます。
原因は腰や骨盤の筋肉、筋膜、靭帯、軟骨の損傷なのです。
このぎっくり腰で特に多いのが骨盤の仙骨と腸骨の2つの骨からなる仙腸関節という所の付着している軟部組織の損傷によって起こるものです。
もしぎっくり腰を起こしてしまったらまず痛い所をしっかり冷やし、安静にする事が一番大事ですよ。
腰椎分離症
この腰椎分離症は思春期の子供達に多いものです。
この頃に過度の運動によるものがほとんどです。
この腰椎分離症は疲労骨折の一種で背骨の一部分に亀裂が生じます。レントゲンを撮ると白色の骨折線が写ります。
直接強い外力が加わって骨折に至るというよりも、気が付いたら分離症になってた!という方がほとんどです。
腰椎辷り症(ようついすべりしょう)
背骨の一部分が前側に移動してしまってる状態です。
この腰椎辷り症は腰椎分離症に続いて起こるタイプと分離症を伴わないタイプがあります。
多くの場合、第5腰椎が前方に辷っていて、触ると一部分だけへっこんだ様に感じます。
通常、腰椎は前彎(前側に緩やかにカーブ)しているのですが、このカーブがきつくなり腰が反り返っている様な姿勢の人によくみられる症状です。
坐骨神経痛
この言葉もよく耳にしますよね。
この坐骨神経痛とは坐骨神経は腰椎の下部から出ており、お尻を通って足に向かう神経です。
坐骨神経は他の神経より太く、鉛筆位の太さがあり、その坐骨神経が何処かで圧迫され起こり、坐骨神経に沿って痛みやしびれなどを伴う症状です。
原因としては、梨状筋症候群、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間関節症候群などがあります。
梨状筋症候群
梨状筋とは、お尻を横切る様についている筋肉です。
この筋肉は骨盤から股関節に向かって付いておりこの筋肉が異常な緊張状態になると坐骨神経が圧迫され、坐骨神経痛が発症します。
原因としては、尻もつをついたり、急激な運動、長時間座った姿勢、運転、足を組む癖、お尻のポケットに財布を入れる習慣、骨盤の歪み、股関節の疾患などがあります。
椎間板ヘルニア
この言葉もみなさんよく耳にしますよね?
主な症状は腰痛と足のしびれです。
この椎間板ヘルニアは骨と骨との間にある椎間板(クッションの役割)の中にある髄核が圧迫され外に出てしまい、神経根(神経の根元)への刺激が強い為、立位での前屈が困難になります。
またその刺激を回避しようと脊柱(背骨)を側方(横)に傾ける姿勢になります。
これらの痛みは、背中を丸める姿勢をとると軽快します。
同様に、仰向けで膝を伸ばしたまま足を持ち上げると途中から足が上げられなくなります。
この椎間板ヘルニアで一番多く発症する所は第4/5の椎間板で、第5腰神経が圧迫される為、ふくらはぎの外側~母趾(足の親指)にかけ、しびれや痛みを感じ、母趾の背屈(反らせる)が出来にくくなります。
次に多いのが第5腰椎と第1仙椎の間で第1仙骨神経が圧迫される為、足の甲外側と足底(足の裏)にしびれや痛みを感じ、足関節(足首)の底屈(つま先立ち)が出来にくくなります。
脊柱管狭窄症
脊柱管は背骨の中にあり、脊髄神経を守っているトンネルです。
脊柱管が何らかの原因で狭くなると、足の痛みやしびれを起こす事があります。
症状としては、数メートル、数十メートル歩くだけでしおびれが強くなり、少し休息をとるとしびれが治まります。
脊柱管狭窄症では、腰を反らすと悪化し、前屈すると楽になるという特徴があります。
これは、腰を反らすと脊柱管は狭くなり神経への圧迫が強く為であり、前屈をすると脊柱管は広がります。
しびれが強くなると足の力が入れにくくなり、排尿や排便のコントロールが出来なくなる事もあります。
原因は、加齢(変形性関節症)や脊柱管内部の靭帯が厚くなったり、脊椎分離症などと言われています。
次回は腰痛と睡眠についてです。